設立の経緯

設立の経緯とビジョン:

第二次大戦後、被爆国であるにもかかわらず、エネルギー安定供給のもとに原子力発電に邁進してきた日本は、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震津波による福島第一原子力発電所事故以来、大きな反省を強いられています。しかし、この福島第一原発事故も喉元過ぎれば熱さ忘れるで、瓦礫が目先からようやく消えた状態にあり、エネルギーセキュリティなどの国土強靭化をはじめ未解決・未整理の問題は残されたままです。

■先進国で唯一存在しない日本の国土基幹ガスパイプライン

弊社は、次世代のエネルギーとして天然ガス・水素に着目し、これを国内で広域的にうまく活用することにより、経済成長と地球環境問題、さらには、エネルギーセキュリティの確保が同時に達成できると考えています。そのためには、欧米や韓国、口シア、中国では国家主導でほとんど概成している一方で、我が国には存在しない「国土基幹ガスパイプライン」という社会資本の整備が必要です。
現在、東日本大震災を契機として我が国のエネルギーセキュリティ、供給体系を見直す機運が高まっています。また、近年の気象の激化に伴い、地球温暖化対策の必要性が叫ばれている機会を捉えて、エネルギー転換、水素社会構築のために、国土基幹ガスパイプラインを実現することが、我が国の真の国益にかなうものと考えます。

■国土基幹ガスパイプラインで実現できること

国土基幹ガスパイプラインが整備されれば、水素(燃料電池)自動車や定置型燃料電池など天然ガス・水素を利用した分散型エネルギーシステムが全国に普及します。これに再生可能エネルギーを組み合わせることにより、原子力発電のウェイトを下げ、次世代型のエネルギー体系を実現することが可能となります。さらに、各地に独立分散立地しているLNG基地の体系では不可能であった、ロシアなど海外から直接パイプライン(国際パイプライン)で安価な天然ガスを輸入することが国土基幹ガスパイプラインの整備により可能となります。

■ガス小売り完全自由化に不可欠な国土基幹ガスパイプライン

2015年6月改正ガス事業法(エネルギーシステム改革一括4法の一部)が成立し、2017年にはガス小売り完全自由化、2022年にはガス大手3社のガス導管の法的分離が実施されます。電気はこれに先立ち、小売り自由化、発送電分離が実施されます。ガスが電気と大きく異なる点は、国土基幹ガスパイプラインの国内ネットワークが未整備で空白地帯が多いことです。つまり、法的にガス自由化を行ってもガス輸送インフラが未整備であるため、自由化による価格・サービス競争が起こりにくく、国民の不利益、ひいては国際競争力の低下に繋がります。

弊社は、早急に国土基幹ガスパイプラインの敷設を行うことが、我が国の命運を握ると考えます。弊社は、国土基幹ガスパイプラインの整備の牽引役となって日本の未来のエネルギーを支えて参ります。